腱鞘炎(けんしょうえん)とは?
腱鞘炎とは、字の如く「腱(けん)」の「鞘(さや)」で起きた「炎症」です。
「腱」とは、筋肉が性質を変えて細く強固になったものであり、「腱鞘」とは、腱の運動を補助するため、刀の鞘のように腱を覆っているものです。腱鞘のおかげで、指先の繊細な動きが可能になります。
腱鞘炎というと、手首や指の痛みをイメージする方が多いと思います。
一般的に腱鞘炎と言われるものは、「弾発指(ばね指)」、「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」と診断されることが多いです。
それでは、腱鞘炎の症状・原因・治療について詳しく見て行きましょう。
腱鞘炎の症状
腱鞘炎の症状をそれぞれまとめました。
腱鞘炎の原因
腱鞘炎と聞くと手指の使い過ぎだとイメージする方が多いとは思いますが、実は使い過ぎだけが原因ではありません。使い過ぎ以外にも、ホルモンバランスの乱れ※1が関係していると言われています。 産前・産後・更年期の女性で手指や肘の痛みを訴える方は非常に多い です。また、
育児など手首手指に負担のかかる動作が多い※2のも要因の一つとして考えられます。
※1産前・産後・更年期にはエストロゲン(いわゆる女性ホルモンの一種)の変化が非常に大きいとされています。エストロゲンは抗炎症作用(炎症を抑える効果)を持つとされ、エストロゲンが足りなくなると動脈硬化や骨粗鬆症などのリスクが高くなるとされています。つまり、骨・血管・筋肉・関節など身体の様々な器官に影響を及ぼすとされています。
腱鞘炎の症状
- ●テニス・ゴルフなどのスポーツ競技者(ラケット競技)
- ●デスクワークなどのパソコン作業(キーボード、マウス等の長時間使用)
- ●産前・産後・更年期の女性
- ●手首、手指を使う方(美容師・調理師・楽器奏者・育児・家事など)
腱鞘炎の治療
基本的には 安静にすることが大切 です。その上で 投薬、注射、理学療法などの保存療法 を行います。改善が見られない、再発を繰り返す場合は手術を行うこともあります。
基本的には使い過ぎによる炎症が原因なので、指や手首への負荷が必要以上にかかり過ぎている状態にあります。その状態で 患部を使い続けてしまうと炎症が慢性化 してしまう恐れがあります。
ただし、腱鞘炎に悩まされている多くの方は患部の安静が難しい場合が多いと思います。仕事、家事、育児、趣味などでどうしても使わざるを得ないなんてことも少なくないと思います。そんな方は 身体の使い方を見直してみる のも一つの方法です。 手指だけでなく、腕や肩、体幹まで関係している場合 があります。
身体の動かしにくい場所があると、特定の場所に必要以上に負荷がかかる場合があります。そして、 残念ながら動かしにくい場所を自覚するのはとても難しいです 。(この辺りの詳しいお話は別の機会にしたいと思います。)
具体的な方法や自分の身体の状態など気になる方は一度当院にご相談ください。